起立性低血圧、どうなるのが正解??
当院には起立性低血圧のお子さんが沢山来院します。
私も数年前まで起立性低血圧の正体をほとんどわからずにいました(ネットで出ているレベルがわからなかったと言うわけではありません)。
だから、治るお子さんと、治らないお子さんの違いと、今後どうなれば良いのかと言った明確なビジョンがありませんでした。
「この子は治るのかな?」
「なんで予定通りに治らないんだろう?」
「この子はあっという間に治った!」
といつも「治るのか?治らないのか?」と疑問に思っていました。
でも、今は違います。
一つ言えることは
「やることやれば良くならないお子さんはいない!」
です。
「治らない」ではなく「良くならない」にしたのは起立性低血圧の治る定義が曖昧だからです。
親御さんによっては
学校に普通に行けるようになったら治ったことになる」
と定義している方もいます。
確かに、今まで普通に朝起きたら学校に通学していたのだから、元の通りに普通に学校に通えたらそれが治った事になると考えるのは「普通」なことだと思います。
でも親御さんの考える「普通」と、お子さんの考える「普通」はおそらく大部分違います。
言い換えると「これだけ改善したら嬉しい!」の範囲が親御さんとお子さんとでは違っているのです。
当院で治療を受けて、改善してすぐに学校に行けるお子さんもいます。
対して、改善しているのになかなか登校出来ていないお子さんもいます。
この差に親御さんはヤキモキしているのです。
「普通はもっと早く良くなるのですか?」
「何でうちの子は学校に行かないのですか?」
「どこを改善すれば学校に行けますか?」
とよく言われます。
この質問に対して私は
「私には何が悪くて学校に行けないのかはわかりません」
と答えています。
起立性低血圧専門を謳っていてこの答えはどうなんだ?と思う人もいるかと思います。
しかし、この答えには
究極的に、お学校に行けていなくてもお子さんが元気であればそれでいい
とのメッセージがあるのです。
元気であればそれで良い!!!
のです。
初診の時は一日中あまり具合が良くなく過ごしていたお子さんも、治療が進むにつれて「調子が良いです」と言える状態まで改善することがほとんどです。
それでも
「まだ学校には行けていないです」
というお子さんもいます。
でも、私としてはそれで良いと思います。
元気になればOK!
アントニオ猪木さんが
「元気があれば何でも出来る!」
と言っていましたがその通りなんです。
仮に、学校に行けていなくても元気にさえなっていれば、本人がその気になれば家で勉強もできるし、スポーツもできるし、何か興味があるものに時間を割くことができます。
「元気になったのは良いけど、一日中ゲームばっかりしているんです」
とも言われます。
親御さんや私も含めて
「馬を水飲み場まで連れてはいけるけど、水を飲ませることは出来ない」
のです。
私たちにできるのは「水飲み場はここだよ」と環境を作ってあげることなのです。
あとは、タイミングやその他のなんらかの理由が作用して本人が動き始めるのを待つのです。
ホルモンバランスが整った時に急にやる気が起きるかもしれません。
その時を楽しみにしていて下さい。
でも、体調が悪くてその時を迎えても恐らく動けないと思います。
お子さんのためにも元気にしてあげてください。