起立性低血圧、無理に起こすのが正解?
当院には起立性低血圧のお子さんが大勢来院されます。
起立性低血圧、または起立性調節障害とも言います。
思春期のお子さんに見られる自律神経失調症で、寝ている時の血圧と、起きた時の血圧の変化が少ないために、起きた時の頭痛や腹痛のために起き上がれない状態になります。
午後にはケロッとしている事が多いために、一昔前には怠け病とも言われていました。
振り返れば私も、朝無理やり起こされて夢遊病のように自転車で学校に向かって、数回交通事故にあった事があります。
しょっちゅう頭が痛かったです。
35年前には起立性低血圧と言う概念はなかったので、お医者さんに行ったら「自律神経失調症」とだけ言われました。
起立性低血圧、無理に起こすのが正解??
最近、起立性低血圧で来院されるお子さんで、朝の7時に無理やりお母さんが起こして朝ごはんを食べさせたり、違うお子さんですが、食欲がないのでそのまま壁にもたれかけさせたりされている子が来院されました。
その後、起き上がるのに3時近くまでかかっていました。
親心からきているのですが「その時間に起きる習慣があった方がいいと思って」との事でした。
確かに、起立性低血圧は正解がわかりません。
ほとんどの場合、お医者さんからも細かい指導はでません。
ネットでもハッキリとこれが良いとは言及していません。
だから、試し試ししていくしかないのが現状です。
そして、試した結果を見てみるのが一番確実です。
1人は朝無理やり起こしてそのまま壁にもたれかけさせていましたが、結果は起きてからの胃痛がひどくてごはんを食べると調子が悪くなっていました。
起きている間はずっと調子が悪いままです。
もう1人は朝ごはんを食べた後調子が悪く、体を起こせるようになるまでに午後の2時を過ぎていました。
この子も起きている間は腹痛と頭痛に悩まされていました。
この結果だけ見るとこの2人は悪くなっていると私は考えます。
この2人だけでなく、親御さんが何とか起きてもらいたくて布団を剥いだり、目覚ましを鳴らしたりしても、起きられないものは起きられないのです。
多くの起立性低血圧のお子さんを治療してきましたが、一つの結論として出たのが
起きる時間はコントロール出来ない
事です。
厳密に言うと少しづつコントロールは可能なのですが、無理やり起こしても良い事はないと言う事です。
無理に起こすことの弊害
それは「体調が悪くなる」ことです。
もっと言ってしまえば「元気がなくなる」のです。
無理なくお昼の12時に起きたお子さんは多かれ少なかれ、時間と共に少しづつ元気になっていきます。
しかし、無理やり起こされたお子さんは場合によっては起きている間中調子が悪く、元気がなく生活することになります。
元気がなく1日を過ごすのと、起きる時間が遅くても元気に過ごすのはどちらが良いですか?
言わずもがなですよね。
最近は昔と違って学校至上主義ではなくなりました。
私の子供の頃は少し調子が悪くても「とにかく学校に行ってこい!」でした笑。
学校に行かなくても元気に過ごせれば何かは出来ます。
アントニオ猪木さんの
元気があれば何でもできる!!
はまさにそのままの意味ですね。
起立性低血圧の改善方法
当院では背骨の矯正をして起立性低血圧を改善していきます。
何故背骨の矯正が効果的かと言うと、背骨の中には自律神経が通っています。
背骨を矯正して真っ直ぐすることによって、自律神経の改善を早めていくのです。
そして一番大切なのが家にいる時の姿勢です。
学校に行かないお子さんは一日中家で座ってゲームをしたり、勉強したりしています。
その座り姿勢が悪いと背骨が歪んで起立性低血圧が悪化しやすくなります。
あと、大切なポイントとして
寝てばかりいない
事です。
寝てばかりいると改善の芽が出ません。
悪い状態を保存します。
午前中は無理だとしても、できる限り起きていてください。
でも、焦らず徐々にやりましょう。