起立性低血圧の改善、早い子と遅い子
起立性低血圧は十代の思春期に発症する自律神経失調症で、朝が起きられない、無理に起き上がると激しい頭痛に見舞われる、お昼を過ぎると症状が収まり平気にしているので怠け病と思われる、と言ったものです。
この起立性低血圧は二極化します。
早く治る子と治療も宿題もしっかりやっているのになかなか治らない子です。
早く治る子の特徴
発症してからの期間が短い
これはどんな症状にも当てはまりますが、特に起立性低血圧には言える事だと思います。
何故かと言うと、それは「生活習慣」と深く関わりがあるからです。
起立性低血圧になるとほとんどの子がお昼まで寝ています。
お昼まで寝ていると夜も自然と寝るのが遅くなります。
いわゆる昼夜逆転に近い状態になるのです。
この状態が長ければ長いほど生活習慣として体に刻み込まれていきます。
寝る時間、起きる時間を変えていくのは起立性低血圧の方ではなくても結構な労力です。
これに加えてそもそもが調子が悪いので起きられないのですからなかなか生活習慣を変えられないのです。
だから完全に自分の生活習慣になる前に治療に取り組み始めると改善も早いのです。
なかなか起立性低血圧が治らない時は、、、
当院では発症からしばらく経ってから来院する子もいます。
最初は心療内科に行って何ヶ月か通院して、それでも改善しなかったから訪れる感じです。
それでも早めに見切りをつけて3ヶ月くらいでくる方は改善が早いです。
運が悪く来院するまでに2年くらい経ってしまった方もいます。
でもやることやれば時間はかかりますが改善出来ます。
まずは背骨の矯正をしっかりと定期的に受けてください。
そして起き上がれるようになったら良い姿勢をキープして下さい。
家にいる事が多いはずですからどうしてもだらけてしまいがちです。
それは起立性低血圧を悪化させてしまいます。
ゲームしていても良いです。
YouTubeを見ていても良いです。
でもその間は常に良い姿勢でいて下さい。
長引いてしまった方はとにかく
諦めない
そして
焦らない
事です。
最近半年程通っている子のお母さんから
「前よりも起きられるようになりました。ネットで調べて朝日を浴びるようにしたり、軽い運動を取り入れたりやる気が増えたみたいです」
と伺いました。
この子は最初なかなか効果が出ず
「途中でやめてしまうかな?」
と思ったのですが諦めずに治療と良い姿勢に取り組んでくれました。
そもそもここまで2年半かかってますから焦っていないんですね。
お母さんも早く学校に行ってもらいたいと言うよりは
「1年後の高校受験をどうするか?」
で取り組んでいます。
この前神保町の本屋さんで立ち読みしたのですが、今、日本一の高校「N高校」は通信制の高校なんだそうです。
卒業生にはアメリカの大学に進学した方もいるし、通信制でも部活動もあるそうです。
e Sportsで会わないでも全国の友達と切磋琢磨したり、投資部などの前衛的な部活動があったり、多分大人でも入りたいような高校でした。
こう言う学校もだいぶ社会的に認知されてきていて、これを必要な子も増えているようです。
朝から学校に通えなくてもエンジョイ(古い笑)出来る世の中になってきているのです。
長くかかっている方もあまり心配せずに、でも諦めずに取り組むと楽しい毎日が過ごせるかと思います。