鬱と息苦しさの原因と5つの改善策
鬱症状で悩んでいる方の中に、息苦しさを訴える方がいます。
また、鬱症状は出ていなくても、息苦しさを訴えている方もいます。
ただ、息苦しさは鬱症状の一つと私は考えています。
このブログでは、鬱と息苦しさの原因、改善策について書いていきたいと思います。
目次
1・何故、鬱病になったり、わけもなく息苦しくなるのか?
1-1自律神経とは?
1-2自律神経失調症
1-3自律神経失調症の様々な症状
2・その5つの原因とは?
2-1姿勢の乱れ
2-2体の冷え
2-3食生活の乱れ
2-4運動不足
2-5睡眠不足
3・その5つの対策
3-1良い姿勢をとる
3-2保温をする
3-3食生活を改める
3-4筋トレをする
3-5睡眠の質を上げる
1・何故、鬱病になったり、わけもなく息苦しくなるのか?
じつは、わけもなく症状が出ているのではありません。
鬱になるのも、息苦しくなるのも自律神経が正常に働いていないためなのです。
1-1自律神経とは?
では、自律神経とはどういうものなのでしょうか?
自律神経は大きく二つに分けられます。
①交感神経
②副交感神経
まずは交感神経について述べていきたいと思います。
①交感神経
別名狩猟神経とも言われています。
太古の昔は狩りをしていたわけですが、仮の最中に素早く動けるように心臓の鼓動を早くするとか、手の持った武器が滑らないように手に汗をかくようにするとか、活動しやすくする神経ですね。
では、狩りに行かない現代人では交感神経はどんな時に働いているのでしょうか?
- 昼間
- 通勤電車の中
- 営業中
- 上司に怒られている時
- パソコンに向かっている時
- 勝負事をしている時
- 心配をしている時
などなど。
そしてこの状態の時には身体には次のような現象が起きています。
- のどが渇く
- 心臓がバクバクする
- 血管が縮む
- 消化が悪くなる
- おしっこが出にくくなる
- 呼吸が荒くなる
などなど。
要は、狩猟している時にうまく動けるように対応しているんですね。
これが交感神経です。
②副交感神経
別名お休み神経とも言われています。
太古の昔は、夜になると明かりがなかったので暗くなると自動的にこの副交感神経に切り替わったと言われています。
この副交感神経はどのようなときに働いているのでしょうか?
- 眠るとき
- 休憩中リラックスしている時
- 泣いている時
- 好きなことをしている時
- 飼い犬と一緒にいる時
- マッサージを受けている時
- 湯舟に浸かっている時
などなど。
そしてこの状態の時には次のようなことが身体に起こっています。
- 心臓が安らぐ
- 血管が広がる
- 消化が良くなる
- よだれや涙が出る
- 眠くなる
などなど。
この副交感神経は、休んでいる間などに体が回復しやすい状態を作ります。
そして老廃物を排泄しやすくして、新しい体を作ります。
1-2自律神経失調症
この、交感神経と副交感神経はどちらが良くて、どちらが悪いというわけではありません。
働いている時に副交感神経が優位になってしまうと、リラックスしすぎて良い仕事ができません。
それどころか、仕事中に居眠りをして会社を首になってしまうかもしれません。
一番大切なのが交感神経と副交感神経のバランスなのです。
交感神経と副交感神経のバランスが著しく崩れた状態を「自律神経失調症」と呼んでいます。
私の臨床経験上は、明らかに交感神経の過度な優位によって、自律神経失調症になっている方がほとんどです。
日中の仕事中には、交感神経を過度に興奮させているので、本来、家に帰って、湯舟に浸かったり、奥様とゆっくり喋ったり、お子さんの寝顔を見たり、犬と遊んだり、自分の趣味を楽しんだりすると副交感神経が優位になるのにそれがうまく切り替わらず寝る時ですら交感神経が優位な状態になっているのです。
先ほど寝るときは副交感神経の働きと述べましたが、自律神経失調症の場合は交感神経が優位になっているので、あまりよく眠れません。
眠れても体の回復がうまくできないので、次の日も疲れがとれないままになってしまいます。
寝ても治らない体。
それが自律神経失調症の状態です。
鬱症状はこの状態が長い間続いて、何かのきっかけで発症します。
1-3自律神経失調症の様々な症状
自律神経失調症には様々な症状があります。
- めまい
- 息苦しい
- 眠れない
- 寝ても疲れがとれない
- 耳鳴り
- 動悸
- 不安感
- 頭痛
- 一日中眠い
- 頭がボーっとする
- 鬱症状
などなど。
私も高校生のころ自律神経失調症と言われましたが、症状は「物と物の距離感がつかめない」「夢の中にいるみたいな感じ」でした。
今思えば、正直誰にもわからない症状でしたね。
自律神経失調症の症状は色々なんですが、耳鳴りや頭痛など聞き覚えのある症状の方は、まわりの理解もあると思いますが、「朝起きると胸がもやもやする」「日中すぐ眠くなる」などはそのつらさが理解されないので、そこも鬱や自律神経失調症のつらさですね。
なぜ、こんなに多種多様な症状が出るのでしょうか?
それは、自律神経が身体のすべての部分につながっているからです。
自律神経は脳から出て、背骨を走り、そこから胃腸、膀胱、肺、肝臓、心臓などすべての臓器につながって仕事をします。
全ての血管にもつながっていますから、全身の血流にも影響を与えています。
内臓は感情ともつながっていますから、イライラや不安感なども自律神経の不調の際には出てきます。
2・その5つの原因とは?
では、鬱症状や息苦しさを含めて、自律神経失調症になる原因とは何でしょうか?
それには5つの理由があります。
2-1背骨、骨盤の歪み
前述しましたが、自律神経は背骨の中を通っています。
大まかに分けると、首が副交感神経、背中が交感神経、骨盤が副交感神経が出ています。
そして、各背骨からは内臓の自律神経が出ています。
胸椎1番 心臓の筋肉
胸椎2番 心臓の動脈
胸椎3番 肺
胸椎4番 胆のう
胸椎5番 胃
胸椎6番 膵臓
胸椎7番 脾臓
胸椎8番 肝臓
胸椎9番 副腎
胸椎10番 小腸
胸椎11番 腎臓
胸椎12番 腎臓
腰椎1番 盲腸
腰椎2番 回毛弁
腰椎3番 卵巣、精巣
腰椎4番 大腸
腰椎5番 膀胱、子宮、前立腺
骨盤 膀胱、子宮、前立腺
という事は、背骨の不調=自律神経の不調と言えます。
臨床上、私がよく遭遇する症状で、「動悸」、「息苦しい」、「不安感でいっぱい」はどこが大きな原因かと言うと、胸椎1番(心臓)です。
ここです。
「動悸」「息苦しい」「不安感でいっぱい」などはこの胸椎1番がずれて、心臓の自律神経が弱くなって出てくる症状の一つです。
この段階では、心電図など調べても何も異常がないことが多いです。
胸椎1番がずれると、この他にも逆流性食道炎様の症状も出ます。
胸椎5番がずれると、食欲不振、消化不良などが出てきます。
胸椎9番がずれると、慢性疲労、腰椎4番がずれると便秘、下痢、腰椎5番と骨盤がずれると女性疾患系の症状が出てきます。
上記の状態を通り越して、お腹全体が悪くなってくると不眠や鬱と言ったワンランク上の症状が出てきます。
2-2体の冷え
鬱や不眠、自律神経失調症で苦しんでいる方の多くは冷える生活をしています。
食欲不振の方でも、毎日冷たい飲み物を飲んでいるとか、真冬にトマトジュースを飲んでいるとか、脚がすっかり冷えているのに冬でも靴下を履かないで過ごしているとか、湯舟に浸かる習慣がないとか。
体は冷えると色々具合が悪くなります。
「鬱は心の風邪」とも言われています。
34度台だった体温が36度台になった方は、お医者さんにもう抗うつ剤を飲まないでもいいですとお墨付きをもらいました。
「牛乳を温めて飲んでいます」
という方もいます。
でも、東洋思想では牛乳は身体を冷やす飲み物です。
温めても体を冷やす性質は変化しません。
前述したトマトジュースもそうです。
トマトは夏の食べ物なので、体を冷やす性質があるからです。
2-3食べ物
この世の中、添加物が入っていない加工食品を見つけるのが難しいくらいですよね。
「いえ、私は毎日家の手作りを食べています」
という方でも、おうちの調味料を見てみて下さい。
マヨネーズ、ポン酢、ソース、ケチャップ、納豆のたれなどなど。
以外にほとんどの調味料に添加物が入っていて驚きませんか?
おうちでもこの状態ですから、外食ではもっと入っているものと思ってください。
特にファストフード店の食べ物はたっぷり入っています。
ラーメン店もかなりの高確率で添加物だらけです。
では、なぜ添加物が身体に悪いのでしょうか?
添加物もいろいろありますから、ここでは一つ「アミノ酸」を例にとってお話しします。
正式名はグルタミン酸ナトリウム。
色々な食品に「アミノ酸」と書いてあるのがこれです。
「アミノ酸は身体に良さそう」
と思ってしまいそうですよね。
昔、中華料理店でこのアミノ酸が大量に使われて、食後に嘔吐や灼熱感と言った症状があらわれて、問題になったことがあります。(チャイニーズレストランシンドローム)。
東南アジアだと、野犬狩りに使われているそうです。
餌に大量のアミノ酸を振りかけて、喜んで食べるとフラフラするらしくそのすきに捕まえるんだそうです。
要は神経毒なんです。
神経がやられちゃうんですね。
めまいや、不眠で当院に来られた方で、ほとんど毎日外食かコンビニ弁当という方のお腹はカチンカチンになっています。
それだけ体(神経)に負担になっているのですね。
2-4運動不足
鬱をはじめ自律神経失調症の方のほとんどがデスクワークです。
引っ越し業者の方や土方の方で「息苦しい」とか「眠れない」とか言った方はあまり来ません。
それは日中体を動かしているためと考えられます。
太古の昔のことを考えると、交感神経は外に行って獲物を捕らえる神経です。
日中仕事でも体をシッカリ使っていると、夜、家に帰ったときに副交感神経のスイッチが入りやすく夜もちゃんと眠れるのです。
だからと言って、今すぐ職を変えるとか、主婦の方に外で働けというのは無理がありますよね。
主婦の方でも、デスクワーク系の方でも、体を定期的に使っている方は身体の回復が早いようです。
2-5睡眠不足
人間の身体は寝ている間に治ります。
「マッサージを受けたら軽くなった」
と言うのは治ったわけではありません。
寝ている間に細胞が生まれ変わったり老廃物を除去したり、脳が自律神経を介して自動で行っているのです。
それが治るという事です。
だから、睡眠がしっかりととれていないと治らないのです。
これは時間もそうですが、睡眠の質にも影響されます。
体が冷えたまま寝たり、眠る直前までスマホを使っていたりすると交感神経が興奮してなかなか副交感神経に入れ替わらないので良い睡眠になりません。
皆さんに
「眠れていますか?」
と聞くと
「7時間は寝ています」
と言います。
「朝楽ですか?」
「いつもだるいです」
これは睡眠の質が悪いためです。
実は、睡眠は時間よりも質の方が重要なんです。
5・その5つの対策
5-1良い姿勢をとる
背骨が歪むと自律神経が悪くなるのですから、背骨を歪まさないようにすれば良いというわけですね。
座り姿勢、立ち姿勢を良くすると背骨の状態が凄く良くなります。
下記に良い姿勢についてのブログのリンクを貼りましたので、ぜひ参考にしてみて下さい。
やってみるとわかりますが、結構大変です。
それは何故かと言うと、今まで良い姿勢をとる筋肉をあまり使わなかったから、筋肉が衰えてしまったからなんです。
「辛い」
「きつい」
と思うかもしれませんが、「エクササイズ」をしていると思って楽しみながらやってください。
「昨日頑張ったから筋肉痛だけど良い感じがする」
「きついけど1週間前よりもできるぞ」
みたいな感じでやってみて下さい。
後、これもやってみるとわかると思いますが立って良い姿勢をとるよりも、座って良い姿勢をとる方が断然つらいです。
デスクワークの方に鬱や自律神経失調症が多いのは実はこのあたりも関係しています。
座り続けていると、ついつい楽な姿勢になりがちです。
こんな感じで座っていませんか?
デスクワークの方はホント頑張ってください。
そして、なるべくトイレとかお茶とか何かあったら一時間に一回は立ち上がるようにしてください。
5-2保温をする
前述したように、冷えの習慣がある方は寒いのに靴下を履いていなかったり、履いていても短かったり、夜足先が冷えているのに靴下を履いていなかったり、冷えているのに保温をしていない方が非常に多いです。
足首がでる短めの靴下は避けた方が良いです。
まずは、自分の足先を触ってみて下さい。
予想以上に冷えていませんか?
その冷え感じていなかったのなら結構な冷え性です。
まずは、自分は冷えているんだという自覚を持ってください。
真の冷え性の人は実は冷えを感じていない人なのです。
後、女性に多いのがお尻の冷えです。
ここも触らないと自覚できないところです。
婦人科系の疾患につながります。積極的に保温してください。
冷え性の方は、家の中でもヒートテックのタイツとインナーを着ても良いと思います。
(余談ですが、ヒートテックって少し緩めの方が良いんですってね。空間にゆとりがある方が良いそうです。)
3-3食生活を改める
前述したように、添加物は神経を傷つけお腹をカチンカチンにします。
添加物はなるべく避けたいものです。
「どこにも売ってない」
「高いでしょ?」
とよく言われますが、そんなことないです。
ウスターソースはちゃんと探せば簡単に無添加の商品が見つかります。
ポン酢を醤油よりも塩分が少なくて健康的だと思って使っている方には申し訳ないですけど、ほとんどの商品がアミノ酸(グルタミン酸ナトリウム)入りです。
でも、うちではこれを使っています。
大手メーカーでしかも無添加なのに値段も安いです。
お醤油は基本的に無添加ですね。
でも、牡蠣醤油とか鯛醤油とかだとほとんど添加物が入ってます。
他にも毎日使っている出汁とかは安いと添加物が入ってます。
でも、少しくらい高くても、一日当たりの換算にすればそれほど高くはないです。
加工品で無添加のものを探すのはなかなか難しいです。
ハムやソーセージなどはほとんどありませんし、あってもまあまあ高いです。
そういう時は食べません。
食べなくても困るものではありませんから。
お子さんがどうしてもってときは無添加のものを買ってあげてください。
あと、食事についてですが、朝調子が悪い方がよく食べているのがパンです。
朝に小麦食品を食べると気が上がりません。
朝はできるだけ気を上げる食べ物であるお米を食べてください。
食べにくかったら、おかゆにして、梅干しでも落としてみてはいかがでしょうか。
小麦は気を下げる食べ物。
お米は気を上げる食べ物。
覚えておいてください。
あと体を冷やす食べ物は避けてください。
前述しましたが
トマトジュースはいくら温かくしても体を冷やす飲み物です。
それはトマトが夏の食べ物だからです。
食べ物は取れた時期、取れた地域でその特性が決まります。
夏とれたものは身体を冷やす特性があります。
暑い国でとれたものも体を冷やす特性があります。
「よくわからない」
と言われる方が多いですが、スーパーで安くておいしい野菜は旬な野菜なのでそれを買えばいいと思います。
分かりやすく言うと、冬に買うスイカは高くてあまりおいしくないけど、冬に買う白菜は安くておいしいですよね。
「そんなもんか」
そうです。
意外に簡単ですよね?
3-4筋トレをする
筋肉は内臓とつながっています。
僧帽筋 胃
肩甲下筋 心臓
大胸筋 肝臓
腹筋 小腸
大腿四頭筋 小腸
ハムストリング 小腸
ふくらはぎ 副腎
大腰筋 腎臓
などなど。
筋肉を使うことによって、内臓が活性化します。
前述しましたが、内臓は精神とつながっています。
筋肉を使うことによって、気持ちを落ち着かせることが出来ます。
筋トレはちょっと、、、
という方はウォーキングをしましょう。
よく
「買い物の時歩いてます」
とおっしゃいますが、買い物の時は歩幅も狭いし、よく立ち止まりますよね。
あれって歩いているというよりも、作業としてはほとんど立っているのと同じです。
時間をとって歩いたり、通勤の時に一駅、二駅前から歩くようにしましょう。
3-5睡眠の質を上げる
本来人間は「寝たら治る」のです。
寝ても症状が変わらないのは、睡眠の質が良くないためです。
睡眠の質を上げる方法としては次のようなものがあります。
○スマホなどを眠る直前まで使わない。
○体を冷やさない。
○頭の疲れと体の疲れを同じくらいにする。
○スマホなど電気器具をベッドの近くに置かない。
などなど。
スマホは寝る一時間前くらいにやめた方が良いですね。
寝ながらスマホはやめましょう。
お風呂から出て薄着でウロウロしていると体が冷えて睡眠の質が下がります。
デスクワークなどで頭ばかりが疲れた状態だと交感神経が興奮して眠りにくくなります。
前述した筋トレやウォーキングなどをして、ある程度体を疲れさせるとうまく副交感神経に切り替わり、良い睡眠が得られます。
スマホを目覚まし時計代わりに使っている方は多いと思いますが、スマホからは結構強力な電磁波が出ています。
寝ている間、この電磁波をずっと浴び続けていると神経が萎縮したような状態になり眠りが浅くなります。
普通の目覚ましに変えましょう。
無ければ買いましょう。
いかがでしたか?
鬱や息苦しさをはじめとした自立神経失調症は薬に頼らないでも改善できます。
今までの生活を少しでも見直すきっかけにしてみてください。